◆◆うつ病患者におけるθバースト刺激 vs 高周波反復経頭蓋磁気刺激の有効性(THREE-D)◆◆

【背景】

治療抵抗性大うつ病はよく見られる疾患であり、高周波(10Hz)を用いた左背外側前頭前皮質の反復経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation:rTMS)は、この疾患に対するエビデンスに基づいた治療である。間欠θバースト刺激(intermittent theta burst stimulation:iTBS)は、標準的な10Hzでの治療時間が37.5分かかるのに対して3分で治療できるrTMSの新たな形である。我々は、治療抵抗性うつ病の成人患者において標準的10Hz rTMSと比較したiTBSの臨床的有効性・安全性・忍容性を証明することを目的として研究を行った。

【方法】

この無作為化多施設非劣性臨床試験では、3つのカナダの大学病院に本拠地のある神経刺激専門施設(Centre for Addiction and Mental Health、Tronto Western Hospital[トロント、オンタリオ州]、University of British Columbia Hospital[バンクーバー、ブリティッシュ・コロンビア州])に紹介されてきた患者を募った。試験参加者は18~65歳で、治療抵抗性大うつ病エピソードと現在診断されているまたは今のエピソードにおいて少なくとも2つの抗うつ薬に不耐性で、ベースラインの前に少なくとも4週間の安定した抗うつ薬投与を受けており、HRSD-17スコアは少なくとも18であった。試験参加者をランダム置換ブロック法を用いて無作為(1:1)に治療群(10Hz rTMSまたはiTBS)へと割り付け、施設および抗うつ薬治療が成功しなかった適切な試験の数で階層化した。治療は非盲検で行われたが、治験担当医師とアウトカム評価者には治療群を隠していた。試験参加者は、左背外側前頭前皮質に10Hz rTMSまたはiTBSを週に5日、4-6週間受けた。主要評価項目判定は17項目からなるハミルトンうつ病評価尺度(17-item Hamilton Rating Scale for Depression:HRSD-17)スコアの変化で、非劣性マージンは2.25ポイントとした。主要評価項目の測定において、無作為に治療群へと割り付けられて4週間の一次完了時点に達した参加者全員のプロトコール準拠(per-protocol)解析を行った。この試験はClinicalTrials.gov、ナンバーNCT01887782に登録されている。

【結果】

2013年9月3日から2016年10月3日までの間に、205名を10Hz rTMS治療群へ、209名をiTBS治療群へと無作為に割り付けた。10Hz rTMS群の192名(94%)、iTBS群の193名(92%)を、4-6週間の治療後に主要評価項目について評価した。HRSD-17スコアは、10Hz rTMS群では23.5(SD 4.4)から13.4(7.8)へ、またiTBS群では23.6(4.3)から13.4(7.9)へと改善し(調整後の差異0.01、lower 95%CI -1.16;p=0.0011)、iTBSの非劣性が示された。治療に関連した自己評価による痛みの強度は、iTBS群の方が10Hz rTMS群よりも大きかった(口頭アナログスケールの平均スコア:10のうち3.8[SD 2.0] vs 3.4[2.0];p=0.011)。脱落率は両群で差はなかった(10Hz rTMS群205名中13名[6%];iTBS群209名中16名[8%];p=0.6004)。最も多かった治療関連有害事象は、両群とも頭痛であった(10Hz rTMS群204名中131名[64%];iTBS群208名中136名[65%])。

【考察】

治療抵抗性うつ病患者において、iTBSはうつ病治療における10Hz rTMSに対して非劣性であった。両治療とも脱落者数は少なく、副作用・安全性・忍容性プロファイルは同等であった。iTBSの使用により、現在rTMSデバイスで治療している1日当たりの患者数を、臨床的有効性を損なうことなく数倍に増やせるかもしれない。

(391;1683-92:Daniel M.Blumberger et al:APRIL 28,2018)