◆◆非アルコール性脂肪性肝炎治療のためのNGM282: 多施設無作為化二重盲検プラセボ対照第2相試験◆◆

【背景】

非アルコール性脂肪性肝炎は脂肪変性、炎症、肝細胞傷害を特徴とする慢性肝疾患であり、アメリカ食品医薬品局(FDA)に承認された治療は存在しない。FGF19は胆汁酸合成とグルコース恒常性を制御するホルモンである。我々は、非アルコール性脂肪性肝炎治療に対する人工的FGF19アナログであるNGM282の安全性と有効性を評価することを目的とした。

【方法】

この無作為化二重盲検プラセボ対照第2相試験において、我々は非アルコール性脂肪性肝炎臨床研究ネットワークの組織学的スコアリングシステムの定義により、生検で非アルコール性脂肪性肝炎と確認された18-75歳の患者をオーストラリアと米国の病院、消化器病学および肝臓クリニックから集めた。鍵となる試験適格性の基準は、非アルコール性脂肪肝疾患活性スコアが4以上、ステージ1-3の線維症、および少なくとも8%の肝臓脂肪含量が含まれていた。患者はwebベースシステムを介して糖尿病の病態により階層化され、3mgまたは6mgのNGM282を皮下注またはプラセボのいずれかを投与される群(1:1:1)へと無作為に割り当てられた。主要エンドポイントは肝臓脂肪含有量のベースラインから12週までの絶対的変化とした。治療反応者は、MRI-プロトン密度脂肪画分(MRI-proton density fat fraction)測定法による絶対的肝臓脂肪含有量が5%以上減少を達成した患者とした。有効性分析は包括解析により行った。この試験はClinicalTrials.gov、ナンバーNCT02443116に登録されている。

【結果】

2015年7月14日から2016年8月30日の間に、166名の患者がオーストラリアと米国の18施設でスクリーニングされた。患者82名が3mgのNGM282群(n=27)、6mgのNGM282群(n=28)、またはプラセボ群(n=27)へと無作為に割り当てられた。12週時点で、3mg用量群患者の20名(74%)と6mg用量群の22名(79%)がベースラインから少なくとも5%以上の絶対的肝臓脂肪含有量の減少を達成(それぞれの相対リスク10.0[95%CI 2.6-38.7] vs 11.4[3.0-43.8];両比較ともp<0.0001)したのに対して、プラセボ群は2名(7%)であった。全体で、患者82名のうち76名(93%)が少なくとも1つの有害事象を経験し、その大部分がグレード1(55名[67%])であり、5名(6%)のみがグレード3かそれ以上であった。もっとも多く(≧10%)報告された有害事象は、注射部位の反応(28名[34%])、下痢(27名[33%])、腹痛(15名[18%])、および吐き気(14名[17%])であった。これらの有害事象は、プラセボ群と比較してNGM282群でより頻繁に報告された。生命にかかわる事象や患者の死亡は研究中に起こらなかった。

【考察】

NGM282は非アルコール性脂肪性肝炎患者において、迅速で有意な肝臓脂肪含有量の減少をもたらし、許容できる安全性プロファイルであった。NGM282のさらなる研究は、この患者集団において必要なことである。