◆◆原因不明の不妊症に対する 卵巣刺激を伴う子宮内授精 vs 待機的管理(TUI)◆◆

【背景】 

原因不明の不妊症の女性は、体外受精(in-vitro fertilisation:IVF)の代替として卵巣刺激による子宮内授精(intrauterine insemination:IUI)を提供されることが多い。しかしながら、IUIが効果的な治療法であるというエビデンスはほとんどない。2013年に、英国国立医療技術評価機構(the UK National Institute for Health and Care Excellence)は原因不明の不妊症の男女に対してルーチンにIUIを提供すべきではないと推奨した。

【方法】 

この実用的非盲検無作為化比較二施設試験では、ニュージーランドにある2つの不妊治療院に通っている原因不明の不妊症および自然妊娠の予後不良の女性が参加した。参加者は、独立した統計学者によって作成されたコンピューター処理のランダム化配列を用いて、卵巣刺激(経口クロミフェンクエン酸塩[clomifene citrate:50-150mg、第2-6日]または経口レトロゾール[letrozole:2.5-7.5mg、第2-6日]による卵巣刺激をクリニックで選択)を伴うIUIの3サイクル、あるいは3サイクルの待機的管理(男女には排卵前後に性行為することの指導と、月経周期の初日と性行為日を記録する日記を提供)のいずれかへと、階層化なしで4、6、10のブロックで無作為に割り付けられた(1:1)。参加した男女と臨床医は、治療の割り当てを知らされていた。主要評価項目は、包括解析(intention-to-treat:ITT)集団での累積生児出生率とした。安全性分析はITT集団で行った。この研究はthe Australian and New Zealand Clinical Trials Register、ナンバーACTRN12612001025820として予め登録された。

【結果】 

2013年3月12日から2016年5月12日の間に、我々は卵巣刺激を伴うIUI群へと女性101名および待機的管理群へと100名を無作為に割り付け、そのすべてが主要な有効性分析と安全性分析に含まれた。IUIに割り付けられた女性の累積生児出生率は、待機的管理に割り付けられた女性よりも高かった(女性101名の中で31例[31%]の生児出生vs 女性100名中9例[9%]の生児出生;リスク比[RR] 3.41、95%CI 1.71-6.79;p=0.0003)。IUI群の生児出生31例のうち、23例はIUIサイクルに起因するもので、8例はIUIサイクルの前または期間中に補助なしでの妊娠だった。待機的管理群の生児出生9例のうち、患者1名は研究登録時の卵巣刺激を伴うIUIによって妊娠しており、また1名はプロトコル外の治療(IVF)を受けていた。双子が生まれた2組ともIUI群(1組は過剰反応により中止となったサイクル)で生まれていた。

【考察】 

原因不明の不妊症および自然妊娠の予後不良の女性にとって、卵巣刺激を伴うIUIは安全で有効な治療法である。

(391;441-50:Cynthia M.Farquhar et al:FEBRUARY 3,2018)

※上記本文中に登場する薬剤の代表的なものとして、クロミフェンクエン酸塩は「クロミッド」の商品名で富士から、レトロゾールは「フェマーラ」の商品名でノバルティスから発売されている。