◆急性脳虚血患者におけるアスピリン+クロピドグレル +ジピリダモール3剤併用 vs クロピドグレル単剤または アスピリン+ジピリダモール併用の抗血小板療法(TARDIS)◆

【背景】

3剤を用いた強化抗血小板療法は、急性脳虚血患者における再発イベントを予防するためにガイドライン治療よりも有効であるかもしれない。我々は、強化抗血小板療法(アスピリン[aspirin]・クロピドグレル[clopidogrel]・ジピリダモール[dipyridamole]の併用)の安全性と有効性を、ガイドラインに基づいた抗血小板療法の場合と比較することを目的として試験を行った。

【方法】

 

我々は、虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)を発症して48時間以内の成人患者で国際前向き無作為化非盲検エンドポイントブラインド(blinded-endpoint)試験を行った。試験参加者をコンピューターによる無作為化システムを用いて1:1の割合で、負荷用量後に強化抗血小板療法(アスピリン75mg・クロピドグレル75mg、およびジピリダモール200mgを1日2回)またはガイドラインに基づいた治療(クロピドグレル単剤あるいはアスピリンとジピリダモールを併用)を行う群へと割り付けた。無作為化は国および指標イベントにより階層化され、ベースラインの予後因子・薬剤服用歴・無作為化までの時間・脳卒中関連因子および血栓溶解について最小化した。主要評価項目は、90日以内のあらゆる脳卒中(虚血性あるいは出血性:the modified Rankin Scale[mRS]を用いて評価)やTIAの再発頻度および重症度を複合させたものとして、治療の割り付けを隠した状態で試験中心施設から電話による追跡調査で評価し、包括解析を用いて分析した。この試験はthe ISRCTN registry、ナンバーISRCTN47823388に登録されている。

【結果】

 

2009年4月7日から2016年3月18日の間に、4ヵ国の106病院から3096名の参加者(1556名は強化抗血小板療法群、1540名はガイドライン抗血小板療法群)を集めた。試験は、データモニタリング委員会の勧告で早期に中止された。再発脳卒中またはTIAの頻度および重症度は、強化療法とガイドライン療法の間に差がみられなかった(93名[6%] vs 105名[7%];調整共通オッズ比[common odds ratio:cOR]0.90、95%CI 0.67-1.20、p=0.47)。その一方で、強化抗血小板療法はより多くの、またより重度の出血と関連がみられた(調整cOR 2.54、95%CI 2.05-3.16、p<0.0001)。

【考察】

 

脳虚血発作を最近起こした患者において、強化抗血小板療法は再発性脳卒中やTIAの頻度および重症度を減少させなかったが、大出血のリスクは有意に増加させた。3剤併用抗血小板療法は、日常的な臨床診療として用いるべきではない。