◆◆降圧治療の用量設定における遠隔監視の有無での 自己血圧モニタリングの有効性(TASMINH4)◆◆

【背景】

 
自己血圧モニタリングによる降圧治療の用量設定を評価する研究では矛盾した結果が報告されており、自己モニタリング単独を超える遠隔モニタリングの明確な位置付けは明らかとなっていない。The TASMINH4試験は、プライマリケアでの降圧薬の用量設定において遠隔モニタリングの有無による自己血圧モニタリングの有効性を、通常治療と比較して評価することを目的とした。

【方法】

 
この研究はイギリスの142の一般診療所で行われた平行無作為化比較試験で、血圧が140/90mmHgを超える血圧を自己モニターする意思のある35歳以上の高血圧患者を対象とした。患者は、自己血圧モニタリング(自己モニタリング群)、自己モニタリング+遠隔モニタリング(遠隔モニタリング群)、あるいは通常治療(受診時の血圧;通常治療群)のいずれかへと無作為に割り付けられた(1:1:1)。無作為化は安全なウェブ上のシステムによって行われた。参加者と治験責任医師のどちらも、各群への割り付けをマスクされなかった。主要評価項目は、無作為化から12ヵ月時点の受診時に測定した収縮期血圧とした。一次解析はデータ入手可能な症例とした。この試験はISRCTN、ナンバーISRCTN 83571366に登録されている。

【結果】

 
参加者1182名は、自己モニタリング群(n=395)、遠隔モニタリング群(n=393)、または通常治療群(n=394)へと無作為に割り付けられ、そのうち1003名(85%)が一次解析に含まれた。12ヵ月後、収縮期血圧は通常治療群と比較して両介入群とも低かった(自己モニタリング群137.0[SD 16.7]mmHgおよび遠隔モニタリング群136.0[16.1]mmHg vs 通常治療群140.4[16.5];調整平均差vs 通常治療群:自己モニタリング群-3.5mmHg[95%CI -5.8 to -1.2];遠隔モニタリング群-4.7mmHg[-7.0 to -2.4])。自己モニタリング群と遠隔モニタリング群との間に差異は記録されなかった(調整平均差-1.2mmHg[95%CI -3.5 to 1.2])。多重代入法を含む感度分析において、結果は同様であった。有害事象は3つの群間すべてにおいて同様であった。

【考察】

 
遠隔モニタリングの有無にかかわらず自己モニタリングは、血圧コントロールが不十分な患者において一般開業医が降圧治療の用量設定に用いることで、受診時の測定値に基づく用量設定よりも有意に低い血圧をもたらす。多くの一般開業医と患者が自己モニタリングを用いることは、プライマリケアにおける高血圧管理の土台となる可能性がある。