◆◆黄色ブドウ球菌の菌血症に対する 補助的リファンピシン(ARREST)◆◆

【背景】 

黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)による菌血症は、世界中で重度の市中感染および院内感染のよくある原因の1つである。我々は、補助的リファンピシン(rifampicin)が黄色ブドウ球菌の早期殺滅を強化する、感染病巣や血液の殺菌を促進する、また拡散や転移感染のリスクを減らすことにより、細菌学的な治療失敗や疾患の再発、あるいは死亡を減らせるかもしれないという仮説を調査した。

【方法】

 

この多施設無作為化二重盲検プラセボ比較試験において、黄色ブドウ球菌による菌血症で96時間以内の積極的な抗生物質治療を受けた成人(18歳以上)を英国の29病院から集めた。患者はコンピューターによる連続無作為化リストを介して、標準的抗生物質治療と一緒に補助的リファンピシン(体重により1日あたり600mgまたは900mg、経口あるいは静注)または同一のプラセボを2週間投与される群へと無作為に振り分けられた。無作為化は施設により層別化された。患者、治験責任医師、および患者をケアする職員はグループ振り分けをマスクされていた。主要アウトカムは、無作為化から12週までの細菌学的治療失敗または疾患再発、あるいは(総原因)死亡までの時間として、治療をマスクされた独立再調査委員会により裁定された。分析は包括解析で行われた。この試験はナンバーISRCTN37666216に登録され、新規参加は締め切っている。

【結果】 

2012年12月10日から2016年10月25日の間に、好適とされた試験参加者758名が無作為に振り分けられた(リファンピシン群370名とプラセボ群388名)。参加者485名(64%)が黄色ブドウ球菌の市中感染で、132名(17%)は黄色ブドウ球菌の院内感染だった。47名(6%)はメチシリン耐性感染だった。301名(40%)の参加者は初期深部感染巣があった。標準的な抗生物質は29日間(IQR 18-45)投与され、参加者619名(82%)がフルクロキサシリン(flucloxacillin)を投与された。12週までに、リファンピシン投与群62名(17%)に対してプラセボ投与群71名(18%)が治療失敗や疾患再発、あるいは死亡した(絶対リスク差-1.4%、95%CI -7.0 to 4.3;ハザード比0.96、0.68-1.35、p=0.81)。無作為化から12週までに、重篤(p=0.17)あるいはグレード3~4(p=0.36)の有害事象における差のエビデンスは観察されなかったが、リファンピシン群63名(17%)に対してプラセボ群39名(10%)に抗生物質あるいは試験薬によるものと思われる有害事象がみられ(p=0.004)、また24名(6%)に対して6名(2%)で薬物相互作用があった(p=0.0005)。

【考察】

 

補助的リファンピシンは、黄色ブドウ球菌による菌血症の成人において標準的抗生物質治療を超える総体的有益性はみられなかった。

(391;668-78:Guy E.Thwaites et al:FEBRUARY 17,2018)

※リファンピシン[RFP]は代表的なものとして「リファジン」の商品名で第一三共から発売されている。