◆2型糖尿病の寛解のためのプライマリーケアによる 体重管理(DiRECT):非盲検集団無作為化試験◆


【背景】 

2型糖尿病は生涯にわたる治療が必要とされる慢性疾患である。我々は、ルーチンなプライマリーケアにおける集中的な体重管理が2型糖尿病の寛解を達成できるかどうか評価することを目的とした。

【方法】

我々は、スコットランドおよびイングランドのタインサイド地方にある49のプライマリーケア診療所でこのオープンラベル集団無作為化試験(DiRECT)を行った。診療所は、施設(タインサイドまたはスコットランド)と診療リストのサイズ(5700超もしくは5700以下)で階層化されて、コンピューター生成リストを用いて体重管理プログラム(介入群)あるいはガイドラインによる最善の診療ケア(対照群)のいずれかを受ける群へと無作為に割り当てられた(1:1)。参加者と治療者、およびアウトカムデータを収集する研究アシスタントはグループ割り当てを知っていたが、試験の統計学者には治療の割り当ては隠されていた。我々は、20-65歳で過去6年以内に2型糖尿病と診断され、BMIが27-45kg/㎡で、インスリン治療を受けていない被験者を募集した。治療介入は、抗糖尿病薬と降圧剤の中止、全面的な食事の切り替え(3-5ヵ月間の825-853kcal/日の調整食)、段階的な食物の再導入(2-8週)、および長期間の体重減少維持の構造化されたサポートから成っていた。主要アウトカムは、ベースラインから12ヵ月までの間における15kg以上の体重減少、すべての抗糖尿病薬を少なくとも2ヵ月中止後の糖化ヘモグロビン値(HbA1c) 6.5%(<48mmol/mol)未満と定義された糖尿病の寛解とした。これらのアウトカムは階層的に解析された。この試験はthe ISRCTN registry、ナンバー03267836で登録されている。

【結果】 

2014年7月25日から2017年8月5日の間に、我々は治療介入群(n=23)と対照群(n=26)の合計49診療所から306名の参加者を募り、各群とも149名が包括解析(ITT)集団として含まれていた。12ヵ月の時点で、治療介入群の36名(24%)および対照群の0名が15kg以上の体重減少を記録した(p<0.0001)。糖尿病の寛解は治療介入群の68名(46%)と対照群の6名(4%)が達成した(オッズ比19.7、95%CI 7.8-49.8;p<0.0001)。研究集団全体で糖尿病の寛解は体重減少とともに変わり、体重が増加した76名では達成者なし、体重減少0-5kgを維持した89名では6名(7%)、体重減少5-10kgの56名では19名(34%)、10-15kg減の28名では16名(57%)、そして15kg以上減量の36名では31名(86%)が糖尿病の寛解を達成した。治療介入群における平均体重減少値は10.0kg(SD 8.0)、対照群の平均体重減少値は1.0kg(3.7)だった(調整差異-8.8kg,、95%CI -10.3 to -7.3;p<0.0001)。EQ-5D視角尺度(the EuroQol 5 Dimensions visual analogue scale)によって測定されたQOLは、治療介入群で7.2ポイント(SD 21.3)改善され、対照群は2.9ポイント(15.5)低下していた(調整差異6.4ポイント、95%CI 2.5-10.3;p=0.0012)。9例の重篤な有害事象が報告され、治療介入群157名での7例(4%)と、2例は対照群の2名(1%)で報告された。2例の重篤な有害事象(胆石疝痛と腹痛)は同じ参加者に起こっており、治療介入に関連している可能性ありと判断された。試験からの脱落に繋がる重篤な有害事象はみられなかった。 【考察】 

我々の知見は、12ヵ月時点において、参加者のほぼ半数が非糖尿病状態への寛解と抗糖尿病薬の中止を達成したことを示している。2型糖尿病の寛解はプライマリーケアの実務的目標である。