◆高所得・中所得・低所得の17ヵ国13万人における死亡率と 心血管疾患に対する身体活動の効果:the PURE study◆

◆高所得・中所得・低所得の17ヵ国13万人における死亡率と  心血管疾患に対する身体活動の効果:the PURE study◆

【背景】
身体活動は、それが主にレクリエーションとして行われている高所得国では心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)に対する予防効果があるが、主としてレクリエーション以外で行われている低所得国で同じような効果があるかどうかは知られていない。我々は、身体活動の量とタイプの違いが、異なる経済レベルの国々において死亡率やCVDの低下と関連があるかどうかについて試験を行った。

【方法】
この前向きコホート研究において、我々は17ヵ国(カナダ・スウェーデン・アラブ首長国連邦・アルゼンチン・ブラジル・チリ・ポーランド・トルコ・マレーシア・南アフリカ・中国・コロンビア・イラン・バングラデシュ・インド・パキスタン・ジンバブエ)から参加者を募った。それぞれの国内で、選ばれた市や町およびその周辺から地理的多様性を反映するために都市部と地方を特定した。これらの地域の中で、少なくともまだ4年間は現在の住所で住むつもりの35-70歳の人々を試験に含めた。総身体活動は、国際標準化身体活動質問票(the International Physical Activity Questionnaire:IPAQ)を用いて評価した。以前からCVDがある試験参加者は分析から除外した。平均6.9年の追跡調査期間中に死亡率やCVDを記録した。追跡調査期間中の一次臨床アウトカムは死亡率と主要CVD(CVD死亡率、心筋梗塞、脳卒中、または心不全)の合計または各々とした。死亡率とCVDに対する身体活動の効果は、社会人口学的因子および家族、地域、国のクラスタリングを考慮に入れた他の危険因子について補正された。

【結果】
2003年1月1日から2010年12月31日の間に、168916名が試験に参加し、そのうち141945名がIPAQの全項目に記入した。分析はCVD既往のある者を除外した130843名に限定した。低身体活動(600 metabolic equivalents[MET]×分/週未満または中程度の身体活動が150分/週未満)と比較して中等度身体活動(600-3000MET×分/週または150-750分/週)や高身体活動(3000MET×分/週超または750分/週超)は、死亡率(ハザード比0.80、95%CI 0.74-0.87および0.65、0.60-0.71;p<0.0001 for trend)や主要CVD(0.86、0.78-0.93;p<0.001 for trend)の段階的な減少と関連があった。高身体活動は、高所得・中所得・低所得国すべてでCVDや死亡率のリスク低下と関連があった。身体活動の指針を満たさないことについて補正した人口寄与割合は死亡率が8.0%と主要CVDは4.6%で、高身体活動を満たしていないことの補正人口寄与割合は死亡率が13.0%と主要CVDは9.5%だった。レクリエーションによる身体活動およびレクリエーション以外の身体活動どちらも有益性と関連があった。

【考察】
低所得・中所得・高所得国の人々において、より高いレクリエーションおよびレクリエーション以外の身体活動は、死亡率やCVDイベントのリスク減少と関連があった。身体活動を増やすことは、中年層における死亡率やCVDを減少させることのできる簡単で広く応用可能な低コストのグローバル戦略である。