◆白金治療反応後の再発卵巣がんでのルカパリブ維持療法 (ARIEL3):無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験◆

◆白金治療反応後の再発卵巣がんでのルカパリブ維持療法 (ARIEL3):無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験◆

【背景】
ポリ ADP リボース ポリメラーゼ(poly[ADP-ribose] polymerase:PARP)阻害薬である ルカパリブ(rucaparib)は、BRCA 変異あるいはゲノム全般に高い割合でヘテロ接合性の消失(loss of heterozygosity:LOH)のある再発卵巣がんにおいて抗がん活性を示す。この試験において我々 は、高グレードで再発性の白金製剤感受性卵巣がん患者において第二次または後期プラチナベース 化学療法に対する治療反応後のルパカリブ vs プラセボを評価した。

【方法】
この無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験において、11 ヵ国にわたる 87 の病院や がんセンターから患者を集めた。試験に好適とされた患者は 18 歳以上で、白金製剤感受性で高グ レードの漿液または類内膜卵巣、原発性腹膜あるいは卵管がんで、少なくとも以前に2つのプラチ ナベース化学療法レジメンを受け、最後のプラチナベースレジメンで完全または部分寛解を達成し、 がん抗原 125 の濃度が正常上限未満で、パフォーマンスステータスが0-1、および十分な臓器 機能のある者とした。もし患者が、症状のあるまたは未治療の中枢神経系への転移がある、試験開 始前 14 日以内に抗がん治療を受けている、あるいはポリ ADP リボース ポリメラーゼ(PARP)阻 害薬による治療を以前に受けていれば不適格とした。我々は患者を、ルカパリブ 600mg またはプ ラセボのいずれかを経口で1日2回、28 日サイクルで投与する群へと 2:1 の割合で無作為にコン ピューター作成のシーケンス(ブロックサイズ6、相同組換え修復遺伝子転移[homologous recombination repair gene mutation]の状態、最後から2番目のプラチナベースレジメン後の無進 行期間、および直近のプラチナベースレジメンに対する最善の奏功の有無で層別化)を用いて振り 分けた。患者、治験責任医師、施設スタッフ、評価者、および資金提供者は治療振り分けをマスク されていた。主要アウトカムは、3つのネスティドコホートに対して順序付けられたステップダウ ン手順を用いて治験責任医師が評価した無進行生存として、BRCA 変異(有害な生殖細胞系または 体細胞の BRCA 変異に関連したがん)患者、相同組換え欠損(BRCA 突然変異体または BRCA 野生 型と高度ヘテロ接合性の消失)、および包括解析集団において、スクリーニング時とその後 12 週毎 に評価された。この試験は ClinicalTrials.gov、ナンバーNCT01968213 として登録され、募集は 完了している。

【結果】
2014 年4月7日から 2016 年7月 19 日の間に、我々は 564 名の患者をルカパリブ群 375 名(66%)およびプラセボ群 189 名(34%)へと無作為に振り分けた。BRCA 変異がん患者におけ る無進行生存の中央値は、ルカパリブ群 16.6 ヵ月(95%CI 13.4-22.9;患者 130 名[35%]) vs プラ セボ群 5.4 ヵ月(3.4-6.7;患者 66 名[35%])だった(ハザード比 0.23[95%CI 0.16-0.34]; p<0.0001)。相同組換え欠損がん患者(236[63%] vs 118[62%])においては、13.6 ヵ月(10.9-16.2) vs 5.4 ヵ月(5.1-5.6;0.32[0.24-0.42];p<0.0001)だった。包括解析集団においては、10.8 ヵ月(8.3 -11.4) vs 5.4 ヵ月(5.3-5.5;0.36[0.30-0.45];p<0.0001)だった。安全性集団(ルカパリブ群患者 372 名[99%] vs プラセボ群 189 名[100%])において治療中に発生したグレード3またはそれ以上 の有害事象は、ルカパリブ群患者 209 名(56%) vs プラセボ群 28 名(15%)で報告され、最も多かっ たのは貧血またはヘモグロビン濃度の低下(70 例[19%] vs 1例[1%])と ALT または AST 濃度の上 昇(39 例[10%] vs 0例)だった。

【考察】
すべての主要解析群にわたり、ルカパリブはプラチナベース化学療法で治療反応が得ら れた白金製剤感受性卵巣がん患者において無進行生存を有意に改善した。プラセボとの比較で維持 平野医薬ニュース 第 327 号 18/1 4 治療下におけるポリ ADP リボース ポリメラーゼ(PARP)阻害薬の使用は、第二次または後期プラ チナベース化学療法で完全または部分寛解後の白金製剤感受性卵巣がん女性に対するケアの新し い標準となり得るという追加的なエビデンスを ALIEL3 は提供している。

(390;1949-61:Robert L.Coleman et al:OCTOBER 28,2017)