◆パーキンソン病におけるエキセナチド週 1 回投与 vs プラセボ:無作為化二重盲検プラセボ対照試験◆

◆パーキンソン病におけるエキセナチド週 1 回投与 vs プラセボ:無作為化二重盲検プラセボ対照試験◆

【背景】
グルカゴン様ペプチド-1(glucagon-like peptide-1:GLP-1)受容体アゴニストのエキセナ チド(exenatide)は、パーキンソン病の前臨床モデルにおいて神経保護作用を有する。我々は、これ らの効果が臨床試験で明らかとなるかどうか研究した。

【方法】
この単施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、中等度のパーキンソン病患者を無作 為に割り当て(1:1)、患者の定期薬物治療に加えて週1回エキセナチド 2mg またはプラセボのいずか を皮下注射で 48 週間投与し、その後 12 週間のウォッシュアウト期間を設けた。試験に好適とされ た患者は 25-75 歳で、Queen Square Brain Bank criteria による評価で特発性パーキンソン病とさ れ、ドーパミン作動薬治療中で wearing-off 現象を有し、治療中の Hoehn and Yahr stage が 2.5 以 下であった。無作為化は、疾患の重症度に準じて二層ブロックデザインによりウェブベースで無作為 化された。患者と治験責任医師は治療割り当てをマスクされた。主要アウトカムは、実質的に薬物非 投与下と定義した 60 週時の the Movement Disorders Society Unified Parkinson’s Disease Rating Scale(MDS-UPDRS)の運動機能(motor subscale[part 3])における調整された差異とした。全ての有 効性解析は修正包括解析(modified ITT)の原理に基づき、無作為化後のフォローアップ評価を一度で も完了したすべての患者を含めた。この研究は ClinicalTrials.gov (NCT01971242)に登録され、完了 している。

【結果】
2014 年 6 月 18 日から 2015 年 3 月 13 日の間に 62 名の患者が登録され、32 名がエキセ ナチド、また 30 名がプラセボへと無作為に割り当てられた。我々の主要解析には 31 名のエキセナ チド群患者と 29 名のプラセボ群患者が含まれた。60 週時点の MDS-UPDRS part 3 における非治療 下スコアはエキセナチド群で 1.0 ポイント改善(95%CI -2.6 to 0.7)、またプラセボ群では 2.1 ポイ ント悪化(-0.6 to 4.8)となり、調整平均差異は-3.5 ポイント(-6.7 to -0.3;p=0.0318)であった。 注射部位反応および胃腸症状は一般的な有害事象として両群に見られた。重大な有害事象がエキセナ チド群で6例およびプラセボ群で2例みられたが、両群とも研究介入に関連したものと判断された例 はなかった。

【考察】
エキセナチドは、実質的に非薬物治療下と定義されたパーキンソン病の運動スコアにおい て有益な効果を示し、薬物曝露期間を超えて持続していた。エキセナチドが基礎疾患の病態生理学に 影響を与えるかどうか、または単に長期に持続する症状的な効果を誘導するのかどうかは不明確であ る。エキセナチドはパーキンソン病における研究の重要な新しい手段を示しており、毎日の症状にお ける効果は長期試験で研究する必要がある。 (390;1664-75:Dilan Athauda et al:OCTOBER 7,2017) 平野医薬ニュース 第 327 号 18/1 2 ※エキセナチドは連日投与型が「バイエッタ」の商品名で、持続性の週1回型が「ビデュリオン」の 商品名でどちらもアストラゼネカから発売されている。