◆18ヵ国における果物・野菜・豆の摂取、 および心血管疾患と死亡(PURE):前向きコホート研究◆

◆18ヵ国における果物・野菜・豆の摂取、 および心血管疾患と死亡(PURE):前向きコホート研究◆
【背景】

果物、野菜、豆の摂取と心血管疾患および死亡との関連は、ヨーロッパ、アメリカ、日本、および中国では広く調査されているが、中東、南アメリカ、アフリカ、あるいは南アジアではデータがわずかであるか全く得られていない。



【方法】

我々は前向きコホート研究(Prospective Urban Rural Epidemiology[PURE])で、7つの地理的領域(北アメリカとヨーロッパ、南アメリカ、中東、南アジア、中国、東南アジア、およびアフリカ)にある低所得・中所得・高所得の18ヵ国における613地域から心血管疾患のない35-70歳の135335名を調査した。我々は、各国ごとの食物摂取頻度調査票を用いてベースラインの食事について記録した。人口統計学的要因、社会経済的状態(教育、所得、雇用)、ライフスタイル(喫煙、身体的活動、アルコール摂取)、既往歴と薬剤使用、および心血管疾患の家族歴について情報を収集するために標準化された質問票が用いられた。追跡調査の期間は、各施設や国において参加者の募集を開始した日付により様々であった。主要な臨床的アウトカムは、重大な心血管疾患(心血管が原因の死亡と非致死的心筋梗塞、脳卒中、および心不全と定義)、致死的および非致死的心筋梗塞、致死的および非致死的脳卒中、心血管死亡、非心血管死亡、そして全死亡とした。果物、野菜、豆の摂取と心血管疾患イベントのリスクおよび死亡率の関連を評価するために、変量効果のコックス異質性モデル(Cox frailty models with random effects)を用いた。


【結果】

参加者は2003年1月1日から2013年3月31日の間にこの研究へと集められた。最新解析のために、我々はすべての関連性が否定できないアウトカムイベントを2017年3月31に至るまでthe PURE studyのデータベースへと含めた。総体的な果物、野菜と豆を複合させた平均摂取量は1日あたり3.91(SD 2.77)杯(serving)だった。中央値7.4年(5.5-9.3)の追跡調査期間中に、重大な心血管疾患イベント4784例、心血管死1649例、そして合計5796例の死亡が記録された。果物、野菜、豆の合計摂取量が多いと、年齢、性別、施設(変量効果)を調整したモデルにおいて、重大な心血管疾患、心筋梗塞、心血管死亡、非心血管死亡、および全死亡と逆の相関がみられた。多変量補正モデル(the multivariable adjusted models)における推定値は、重大な心血管疾患(ハザード比[HR] 0.90、95%CI 0.74-1.10、ptrend=0.1301)、心筋梗塞(0.99、0.74-1.31;ptrend=0.2033)、脳卒中(0.92、0.67-1.25;ptrend=0.7092)、心血管死亡(0.73、0.53-1.02;ptrend=0.0568)、非心血管死亡(0.84、0.68-1.04;ptrend=0.0038)、および全死亡(0.81、0.68-0.96;ptrend<0.0001)と実質的に減弱していた。全死亡のハザード比は、準拠集団(reference group)と比べて1日あたり3-4杯群で最低(0.78、95%CI 0.69-0.88)となり、より高摂取量でのHRにおいてさらなる明白な減少はみられなかった。個別の調査において、果物の摂取は心血管、非心血管、および全死亡のリスク低下と関連していた一方で、豆の摂取は非心血管死と全死亡で逆の相関がみられた(in fully adjusted models)。野菜については、生野菜の摂取は全死亡のリスク低下と強く関連していたが、一方で加熱調理した野菜の摂取は死亡に対して適度な有益性を示していた。



【考察】


果物、野菜、そして豆を多く摂取することは、非心血管および全死亡のリスク低下と関連していた。この有益性は、非心血管死亡と全死亡どちらも1日あたり3-4杯(375-500g/日に相当)で最大となると思われる。



(390;2037-49:Victoria Miller et al:NOVEMBER 4,2017)