口のアンチエイジング

口のフレイル
高齢期になり、心身の機能が衰え、虚弱になった状態を「フレイル」と呼び、特に社会性の低下(人との繋がりが少なくなる、食事を一人で摂るなど)から要介護予備軍と考えられています。
日常のささいなトラブル(噛めない、むせる、滑舌が悪くなる)を放置すると次の段階として食欲低下、口の機能低下が生じ、低栄養状態、筋力低下へとつながっていきます。
次の項目に3つ以上あてはまる方は、オーラフレイルの可能性があります。
・自分の歯が20本未満
・滑舌が悪くなった
・噛む力が弱い
・舌の力が弱い
・半年前と比べて硬いものが噛みにくくなった
・お茶や汁物でむせる事が多くなった

オーラル(口の)フレイルチェック8020(ハチマルニイマル)運動
平成元年から当時の厚生省と歯科医師会が始めた、「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動です。今では約50%の方が「8020」を達成できているとのことです。自分の歯でしっかり噛むことで脳が活性化し、認知症リスクが軽減するという報告も出ています。
まずはしっかり歯を磨く習慣をつけ、歯を大切にしましょう。
もし自分の歯が20本以下になったとしても、しっかりした義歯があれば自分の歯と同等の効果が得られます。

歯周病
歯を失う原因の一つが歯周病です。歯と歯茎の境目の清掃が行き届いてないとそこに細菌が溜ま
り、歯肉が炎症を起こします。殆どの場合痛みはありませんが、放置しておくと歯を支える土台の骨が溶けて歯を支えられなくなります。
 
 
歯周病が原因で起こる様々な病気
歯周病菌が腫れた歯肉から血管内に侵入し、次の様な病気の原因となることがわかっています。
○狭心症・心筋梗塞 ○脳梗塞 ○糖尿病 ○誤嚥性肺炎 ○骨粗鬆症 ○関節炎 ○腎炎
これらは特に高齢者にとって、身体機能に影響を与える原因となる可能性が高い病気です。
しっかり歯周病の予防・治療をすることは、アンチエイジングの第一歩と言えるでしょう。
口の筋トレ
 
★深呼吸……鼻から大きく息を吸い、口からゆっくり吐きリラックス。
①首の運動……顔を左右に向ける(各3回ずつ)。次に左右に傾ける(各3回ずつ)、その後ゆっくりと首を回す(左右各3回)。
②肩の運動……肩の力を抜いて姿勢を正し、ゆっくりと肩をすぼめるようにして肩を上げる。その後ゆっくりと下げる。3回繰り返す。
③頬の運動……左右交互に頬をふくらます(各3回)。
④口元の運動 ……口をとがらせて「ウー」、次に「イー」、上を向いて「エー」(各5秒ずつ)。
⑤舌の運動……口を大きくあけて舌を出す(3回)。出した舌を左右に動かす(各3回)。舌を口の中で唇を舐めるように回す(左右各3回)。
⑥唾液腺のマッサージ……両手を頬に当て円を描くようにマッサージ(前後各5回)、その後左右の親指を顎の骨の内側の柔らかい部分に当て耳の下から5カ所くらい押す(5回)。
歯周病予防のための歯磨き+口のトレーニングでアンチエイジングしましょう!