正しい耳掃除の方法👂

耳がかゆいから、耳掃除をすると気持ちがいいからと耳の中をこすりすぎていませんか?
間違ったお手入れで、耳を傷つけたり、炎症を起こしたりする可能性もあります。耳の構造や耳垢の役割、正しい耳掃除の方法についてご紹介します。

耳の構造と働き
耳は大きく「外耳」、「中耳」、「内耳」の3つの部分に分けられます。
いわゆる耳と呼ばれる部分「耳介」と耳介から鼓膜までの「外耳道」をあわせて外耳といいます。音や音の出ている方向を感知し、中耳に伝える役割を持っています。
外耳道は、耳の穴の入り口から鼓膜まで3cm前後のやや曲がった管状通路になっており、入り口付近には、細い毛や、汗腺の一種である耳垢腺(じこうせん)、脂腺があります。

耳垢って?
新陳代謝で古くなった外耳の皮膚の一部や、耳に入ったほこりやゴミ、さらに耳垢腺(じこうせん)から出た分泌物などが混ざって耳垢になります。耳垢には、乾燥してカサカサしている「乾性耳垢」とベトベトしている「湿性耳垢」があり、日本人は乾性耳垢が多いです。乾湿の違いは、耳垢腺からの分泌物の量の差や、耳垢腺の数など遺伝により決まります。

耳垢の役割は?
ほこりやゴミ、小さい虫などの異物が耳の中に入ることを防ぎます。耳垢腺からの分泌物や外耳道の皮膚に生える細かい毛が、耳垢として外に運び出してくれます。
また、外耳道の表皮や鼓膜は非常に薄く、耳垢があることで皮膚を保護し、乾燥を防ぐという役割ももっています。そして、細菌の繁殖を抑える作用をもっているとも言われています。

正しい耳掃除の方法
耳垢が作られるのは耳の入り口から1~2㎝くらい入ったところまでで、それより奥では作られません。あくびをしたり食べ物を噛んだりなど顎の動きによって、耳垢なども自然に外にでていくような仕組みになっています。
奥にある耳垢を無理に取る必要はなく、あくまでも掃除するのは入り口から1㎝くらいのみ。
およそ綿棒の頭一つ分と覚えておきましょう。
耳垢を奥に押し込まないように座った状態で行います。耳掃除の道具はできるだけ清潔なものを用いましょう。
☆「乾性耳垢」の場合は、耳かきで耳の壁をなでるように、やさしく外に向かってかき出しましょう。
☆「湿性耳垢」の場合は、綿棒をそっと耳の穴へ入れたら、らせんを描くように外に向かって3~4回ふき取りましょう。
※耳掃除の頻度:月に1~2回の掃除で十分です。
どうしても耳垢が気になったら耳鼻科で相談してみましょう。特に子どもの耳掃除は難しいものです。
少しでも耳に異常を感じたら、耳鼻科を受診することをおすすめします。