食中毒

食中毒には、大きく分けて細菌によるものとウイルスによるものがあります。
「カンピロバクター」、「ウェルシュ菌」、「サルモネラ菌」など細菌による食中毒は、梅雨から秋にかけて気温の高い時期に多く発生します。
「ノロウイルス」や「ロタウイルス」などウイルスによる食中毒は、気温が低く乾燥している冬の時期に多く発生します。それぞれの特徴や予防方法についてご紹介します。

【細菌による食中毒】

*カンピロバクター*
細菌による食中毒のなかで最も多く、下痢、腹痛、嘔吐、38度を超える発熱、頭痛などの症状がみられます。生肉や加熱不十分な肉が原因になることが多いです。
肉類は十分に加熱調理し、鳥刺しなどの生食は控えるようにしましょう。

*ウェルシュ菌*
エンテロトキシンというウェルシュ菌の毒素の作用により、腹痛と下痢をくり返すのが主な症状ですが、1~2日で治まります。嘔吐や発熱はほとんどみられません。
大量調理や作り置きの機会が多いカレーやシチューで増殖しやすいと言われています。
ウェルシュ菌は加熱しても死なない「芽胞」を形成するため、加熱によって防ぐことが難しいので、常温で放置せず、作り置きはなるべく避けるようにしてください。
温めなおす場合はよくかき混ぜて鍋底にもしっかり空気を送りながら加熱しましょう。たくさん作ってしまった場合は小分けして冷蔵庫で保存してください。

*サルモネラ菌*

症状としてはまず嘔吐からはじまり、数時間後に腹痛や下痢を起こします。下痢は3~4日持続し、1週間以上に及ぶこともあります。肉、卵、うなぎを食べて感染することがあります。食品はしっかり加熱し、賞味期限を過ぎた卵は生で食べないようにしましょう。

【ウイルスによる食中毒】

*ノロウイルス*

食中毒の原因で最も多いのがノロウイルスです。嘔吐や下痢が主な症状で、1日数回からひどい時には10回以上の時もあります。子どもでは嘔吐が多く、大人では下痢が多いことも特徴の1つです。感染力が非常に強く、感染した人の嘔吐物や排泄物から感染することがあります。

*ロタウイルス*

乳幼児をはじめとする子どもに多い食中毒です。
主な症状としては激しい嘔吐や下痢、39度以上の発熱です。便の色が白色になることがあり、水のような下痢が出ることから脱水に注意が必要です。感染力が強いので、嘔吐物や排泄物から感染することがあります

ノロウイルスもロタウイルスもアルコール消毒はあまり効果がないため、嘔吐物や排泄物を処理するときは塩素系漂白剤を薄めて使用してください。

【食中毒を防ぐための3原則】

「つけない」…手にはさまざまな菌やウイルスが付着しています。普段から手洗いの習慣をつけ、調理を始める前や生の肉や魚を取り扱う前後は念入りに手を洗うようにしましょう。

「増やさない」…食べ物についた菌を増やさないためには低温で保存することが重要です。
生鮮食品は購入後できるだけ早く冷蔵庫に入れ、速やかな調理と提供を心がけましょう。

「やっつける」…ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅します。魚や肉だけでなく野菜も加熱して食べると安心です。

食中毒についての正しい知識を身につけ、食中毒にならないように普段の生活から心がけていきましょう。