痛風とは

痛風とは足の親指などの関節が腫れて激痛におそわれる病気で、男性に多い病気です。
風が吹いても痛いということで、「痛風」と呼ばれています。

最近では、女性にも尿酸値が高めの人が増えており、この30年で4倍になっています。

とくに閉経後の女性の痛風発作が増えているので注意が必要です。

痛風は尿酸が体の中にたまり、それが結晶になって激しい関節炎をひきおこします。
この症状は発作的に起こることから「痛風発作」とよばれ、発作が起こると、2~3日は歩けないほどの痛みが続きます。

痛風発作が起こりやすい場所としては親指の付け根、足の甲、ひざ、足首、アキレス腱などです。
最初の痛風発作の7割は足の親指の付け根に起きます。

その後、痛みは徐々にやわらいでいきますが、正しい診断や治療を受けずに放置していると、同じような発作が繰り返し起こり、発作を起こすたびに病態は悪化していきます。
現在は良い薬も開発されたため正しい治療を受ければ全く健康な生活が送れます。

しかし、放置すると体のあちこちに結節ができたり、腎臓に結晶化した尿酸がたまることがあります。

腎臓のなかに尿酸結晶がたまると、腎臓の機能が低下し、さらにたまりやすくなります。

このような悪循環により、慢性腎不全に陥ることもあります。
尿酸結晶が尿路にたまると、尿路結石といって腎臓や尿管、膀胱などに結石ができることもあります。

高尿酸血症は動脈硬化の危険因子でもあり、狭心症や心筋梗塞などの心疾患、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患を引き起こす可能性が他の人より高くなる事がわかっています。

高尿酸血症とは尿酸は、体の細胞の新陳代謝やエネルギー代謝によってつくられる「プリン体」が分解されてつくられます。
体内の尿酸は産生と腎臓からの排出のバランスを保ちながら、一定の量に保たれるようになっています。
このバランスが乱れ、血液中の尿酸の濃度が7.0mg/dlを超えた状態が高尿酸血症です。
血清尿酸値は遺伝と環境の両方が関係するので、それらの知識を持ったうえで対処する必要があります。


<痛風の予防・改善のために>

●食べすぎに注意して肥満を改善すること
尿酸は「プリン体」が分解されてつくられるので、プリン体を多く含む食品(レバー、内臓、魚、干物など)控える事も有効です。
アルコールは体内でのプリン体の合成を促し、尿酸の排出を抑制するので飲酒制限は有効です。

●プリン体を多く含む高カロリー
食やアルコールを控えること肥満は尿酸の排出を悪くするため、体内の尿酸量が増えやすくなります。

●ストレスを上手に解消し、適度な運動を行うことも大切(激しい運動は逆効果)

●水分を多量に摂取し1日尿量を2リットル以上にする
心疾患、腎疾患等を有する場合は医師に相談が必要です。

●過激なダイエットはNG 
炭水化物ダイエットでは、尿酸値が上がってしまうケースがあることがわかっています。

<高尿酸血症治療>

尿酸値を下げる薬には大きく分けて「尿酸をできにくくする薬」「尿酸の排せつを促す薬」があります。
治療目標は血清尿酸値6.0mg/dl以下です。
また、痛風発作を起こしている場合、まずは発作を抑える薬を痛みがなくなるまで服用します。
発作が治まってから、尿酸値をコントロールする薬を長期間服用します。

尿酸値6.0mg/dL以下を長期間維持できれば、関節に溜まった尿酸は徐々に分解されて、溶けてしまうと考えられています。