◆クローン病におけるタイトコントロール管理の効果 (CALM):多施設無作為化対照第3相試験◆

◆クローン病におけるタイトコントロール管理の効果  (CALM):多施設無作為化対照第3相試験◆

【背景】
便中カルプロテクチン(calprotectin)やC反応性タンパク(C-reactive protein)のような腸炎のバイオマーカーはクローン病患者のモニタリングに推奨されているが、これらを用いた治療法の決定がアウトカムを改善するかどうかは不明である。我々は、臨床管理アルゴリズムで管理されている患者に対して、臨床症状およびバイオマーカーを用いるタイトコントロールアルゴリズムで管理された中等度から重度のクローン病患者の内視鏡的および臨床アウトカムを比較することを目的とした。

【方法】
CALMは非盲検無作為化対照第3相試験であり、22ヵ国にある74の病院と外来センターで行われ、内視鏡的活動期クローン病(クローン病内視鏡的活動指数[Crohn’s Disease Endoscopic Index of Severity:CDEIS]>6;1つ以上の潰瘍区域でのCDEISサブスコア合計>6)で、ベースラインのプレドニゾン(prednisone)投与量に応じたクローン病活動指数(Crohn’s Disease Activity Index:CDAI)が150~450、免疫調整薬や生物学的製剤の治療歴がない成人患者(18-75歳)を対象とした。患者は、8週間のプレドニゾン導入療法後または疾患活動期の場合はより早期にタイトコントロール群または臨床管理群へと1:1の割合で無作為に割り付けられ、喫煙状態(yes または no)、体重(<70kgまたは≧70kg)、罹患期間(≦2年または>2年)によって層別化された。両群ともに治療は、無治療からアダリムマブ(adalimumab)導入、その後アダリムマブを隔週、アダリムマブを毎週、最後にアダリムマブ毎週+アザチオプリン(azathioprine)連日投与へと段階的に増量した。この段階的増量は治療失敗の基準に基づき、両群で異なっていた(無作為割り付け前後のタイトコントロール群:便中カルプロテクチン≧250㎍/g、C反応性タンパク≧5mg/L、CDAI≧150、または前週のプレドニゾン使用;無作為割り付け前の臨床管理群:ベースライン時と比較したCDAI減少<70ポイントまたはCDAI>200;無作為割り付け後の臨床管理群:ベースライン時と比較したCDAI減少<100ポイントまたはCDAI≧200、あるいは前週のプレドニゾン使用)。治療失敗の基準を満たさない場合の段階的減量は、アダリムマブ毎週+アザチオプリン投与またはアダリムマブ単独を毎週投与患者に対して可能とした。主要エンドポイントは、無作為化後48週間の深部潰瘍を伴わない粘膜治癒(CDEIS<4)とした。主要解析および安全性解析は包括解析(intention-to-treat)集団で行った。この研究は完了し、ClinicalTrials.govのナンバーNCT01235689に登録されている。

【結果】
2011年2月11日から2016年11月3日の間に、患者244名(平均罹患期間:臨床管理群は0.9年[SD 1.7];タイトコントロール群は1.0年[2.3])が両モニタリング群へと無作為に割り付けられた(両群ともn=122)。臨床管理群29名(24%)およびタイトコントロール群32名(26%)が、主に有害事象により試験を中断した。48週の時点で主要エンドポイントに達した患者の割合は、タイトコントロール群(患者122名中56名[46%])の方が臨床管理群(患者122名中37名[30%])よりも有意に高く、Cochran-Mantel-Haenszel検定法を用いた補正後のリスク差は16.1%(95%CI 3.9-28.3;p=0.010)であった。タイトコントロール群患者122名のうち105名(86%)および臨床管理群患者122名のうち100名(82%)で治療中に発生した有害事象が報告されたが、治療関連死はなかった。最もよく見られる有害事象は、タイトコントロール群が悪心(患者122名中21例[17%])、鼻咽頭炎(18例[15%])、および頭痛(18例[15%])で、臨床管理群ではクローン病の悪化(患者122名中35例[29%])、関節痛(19例[16%])、および鼻咽頭炎(18例[15%])であった。

【考察】
CALMは、早期クローン病患者において臨床症状とバイオマーカーの組み合わせに基づいた抗腫瘍壊死因子療法を用いたタイムリーな増量が、症状のみによる決定と比べて良好な臨床的および内視鏡的アウトカムをもたらすことを示した最初の研究である。今後の研究では、腸の損傷、手術、入院、身体の障害などの長期アウトカムにおける戦略の効果を評価すべきである。

(390;2779-89:Jean-Frederic Colombel et al:DECEMBER 23/30,2017)

※上記本文中に登場するプレドニゾンは肝臓で代謝されてプレドニゾロン(prednisolone)となって活性を示し、国内ではヒト用医薬品は承認されていない。アダリムマブは「ヒュミラ」の商品名でアッヴィ・エーザイから、アザチオプリンは「イムラン」がアスペンから、「アザニン」が田辺三菱からそれぞれ発売されている。

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