第15回愛媛県薬剤師会学術大会で発表

今回は、「在宅患者におけるポリファーマシーの現状と問題点」と題した調査について、香西薬剤師が報告しました。

ポリファーマシー・・・「Poly」+「Pharmacy」多くの薬という意味

明確な定義はないですが、多くの薬を服用することにより有害事象※が起こっている状態を示します。
(※薬との因果関係がはっきりしないものを含め、薬を使用したことにより生じたあらゆる好ましくない有害反応のこと)

平野薬局では薬局で薬をお渡しするだけでなく、薬局を利用するのが難しい方に自宅や施設まで薬をお届けし、管理を行う在宅服薬支援業務も行っています。
今年1月現在で90人の方を担当しています。

高齢者は複数の疾患をかかえていることも多く、複数の病院や診療科を受診したくさん薬をもらっていたり、
薬が上手く管理できないなどのさまざまな要因により、予測不可能な有害事象が起こる可能性が高くなります。
ある研究によると、薬剤数が5剤から6剤を超えると薬物有害事象のリスクや転倒の発生率が増加するという結果が出ています。
そこで、高齢者の薬剤服用状況を把握するため、在宅服薬支援を行っている方のお薬について調査を行いました。
一般的にポリファーマシーと言われる6剤以上処方されている方が約70%を占める結果となりました。また、受診病院数が多いと、薬剤数が多くなる傾向がみられました。

「1日3回毎食前、毎食後と服用回数が多いため、薬が飲めていない。認知症もあるため服薬が困難」というような相談がありました。
ヘルパーさんの訪問時間に合わせて服薬ができる昼食後にメインとなる薬を集約するよう医師に提案し、確実な服薬が可能になった方もいます。
他にも、合計26剤もの薬が処方されていた方も、それぞれの処方医に報告することで、15剤にまで減らすことができました。

ポリファーマシー対策には、まず「薬の情報を正確に把握する」ことが必要です。

平野薬局では、かかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師として、病院からの薬を一元管理し、併用薬の相互作用などのチェックやお薬手帳の有効活用、薬をきちんと飲めるように一包化することなどを積極的に行っていきます。